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昔のドラえもんの悪役は、大人の論理で子供に容赦なく襲ってくる。タイムマシンを銃撃してくる恐竜ハンター、一対一の決闘を仕掛けるギラーミン、管理者が死に絶えても動き続けるポセイドン、超空間の中を執拗に追いかけるメデューサ、子供を銃殺刑にかけようとするピリカ星の独裁者、奴隷狩りのため圧倒的戦力で攻めてくる鉄人兵団、進んだ文明を武器に石器時代の人々を奴隷にするギガゾンビ…。こうやって文章にすると、かなり怖い面々。今なら放送コードに触れそうなことをみんなやっている。
子供の頃、春休みにドラえもんを見に行くのが地元の小学生の恒例行事だったが、夜に眠れなくなるくらい怖かったのが「のび太のパラレル西遊記」。原作の漫画がない作品なので、公開前は大まかなストーリーとキャラクターデザインくらいしか情報がなかったので、劇場でドキドキしながら見ていた。この作品では、ひみつ道具の「ヒーローマシン」という未来のゲームの西遊記のソフトから妖怪が抜け出し、歴史を変えてしまい、妖怪が支配する世界に変わってしまう。ドラえもん映画史上、完全に人類が滅んでしまった作品なのだ。この映画には、結構怖さを感じてしまうシーンがある。妖怪が仮想世界から現実世界に抜け出してくるところ、普段の野比家の食卓シーンがグロデスクな料理が出てくる不気味さを漂わせるところ、妖怪と化したママがのび太の名前を呼びながら階段を上ってくるシーン(顔を写さず、穏やかなのに恐怖を感じさせる呼びかけなど演出と演技が見事)。これを見た日の夜、自分の家族も本当は妖怪になってしまったのではという不安にまったく眠れなかった。
のび太は、この時点で自分の親を失っていることになる、しかもその原因が自分にあるのだ。今見なおすと、タイムマシンに乗りこむのび太の顔は、悲壮感と決意を読み取れる。両親を取り戻すため、自分で責任をとるために、この作品ではものすごく活躍し、最後は牛魔王を倒すことになる。最後に、人間のママに再会するシーンは、元通りなったことに対する安心や感動が伝わってくるものだった。
こうして考えてみると、藤子F不二雄の原作作品は、本当によくできている。感動を生むには、ただ涙を誘うセリフや演出だけではなく、その対極にある恐怖も描き、子供ものであっても妥協しない深い作りの物語を用意して、自分たちに届けてくれた。だからこそ、いまだに記憶が色あせることはない。来年はまたリメイクになりそうだが、怖さや深みを壊さずに新しい作品に仕上げてほしい。
本当は怖いドラえもん?
JUGEMテーマ:日記・一般
昨日のドラえもんを見て、面白かったのに何かが物足りない感じがした。何かなと思ったら、いまいち悪役の存在感が薄いなあって。初期のドラえもん映画は、悪役がたっていたから、のび太達が知恵と勇気を振り絞り、それプラスドラえもんのひみつ道具を使って立ち向かっていくカタルシスがあった。今の子供には、安っぽい悪役を出したらなめられてしまう。昔のドラえもんの悪役は、大人の論理で子供に容赦なく襲ってくる。タイムマシンを銃撃してくる恐竜ハンター、一対一の決闘を仕掛けるギラーミン、管理者が死に絶えても動き続けるポセイドン、超空間の中を執拗に追いかけるメデューサ、子供を銃殺刑にかけようとするピリカ星の独裁者、奴隷狩りのため圧倒的戦力で攻めてくる鉄人兵団、進んだ文明を武器に石器時代の人々を奴隷にするギガゾンビ…。こうやって文章にすると、かなり怖い面々。今なら放送コードに触れそうなことをみんなやっている。
子供の頃、春休みにドラえもんを見に行くのが地元の小学生の恒例行事だったが、夜に眠れなくなるくらい怖かったのが「のび太のパラレル西遊記」。原作の漫画がない作品なので、公開前は大まかなストーリーとキャラクターデザインくらいしか情報がなかったので、劇場でドキドキしながら見ていた。この作品では、ひみつ道具の「ヒーローマシン」という未来のゲームの西遊記のソフトから妖怪が抜け出し、歴史を変えてしまい、妖怪が支配する世界に変わってしまう。ドラえもん映画史上、完全に人類が滅んでしまった作品なのだ。この映画には、結構怖さを感じてしまうシーンがある。妖怪が仮想世界から現実世界に抜け出してくるところ、普段の野比家の食卓シーンがグロデスクな料理が出てくる不気味さを漂わせるところ、妖怪と化したママがのび太の名前を呼びながら階段を上ってくるシーン(顔を写さず、穏やかなのに恐怖を感じさせる呼びかけなど演出と演技が見事)。これを見た日の夜、自分の家族も本当は妖怪になってしまったのではという不安にまったく眠れなかった。
のび太は、この時点で自分の親を失っていることになる、しかもその原因が自分にあるのだ。今見なおすと、タイムマシンに乗りこむのび太の顔は、悲壮感と決意を読み取れる。両親を取り戻すため、自分で責任をとるために、この作品ではものすごく活躍し、最後は牛魔王を倒すことになる。最後に、人間のママに再会するシーンは、元通りなったことに対する安心や感動が伝わってくるものだった。
こうして考えてみると、藤子F不二雄の原作作品は、本当によくできている。感動を生むには、ただ涙を誘うセリフや演出だけではなく、その対極にある恐怖も描き、子供ものであっても妥協しない深い作りの物語を用意して、自分たちに届けてくれた。だからこそ、いまだに記憶が色あせることはない。来年はまたリメイクになりそうだが、怖さや深みを壊さずに新しい作品に仕上げてほしい。
- 2010.03.15 Monday
- 22:19




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